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営業物語 1

僕は営業は苦手だった。

 

人前でしゃべることは対して苦痛ではなかったが

営業となると、

「売らなければならない」プレッシャーを

背中に感じていた

 

いや、それ以前に「買ってください」と言うのが

何やら恥ずかしかったのだ。

 

いやいや、もっと正確に言うと

話している相手から奥にピーンと張りつめた

氷のような冷たい目を向けられ、

 

「なんや売りつけるんか」

 

という顔をされるのが、

そういう表情を見るのが、

胡散臭いやつと思われるのが

何より、怖かった

 

 

それでも30代で柄にもなく独立してしまって、

プランナーとしての自分を売り始めた頃、

どう営業すればいいのかを模索した

 

もう昔の話なので出典は思い出せないが

「営業マンは伝道師なんだ」

という考え方と出会った。

 

その考え方のキモは・・・

 

売る必要はない。商品の良ささえ伝えて

お客様に「欲しい」と思っていただければ

商品は必ず売れるはずだ

 

ということだった。

とても気が楽になったのを覚えている。

 

そうやん、説明して「いらん」って言われたら

無理に売ろうとしても売れるわけないねんから

 

「そうですよね」って帰ってきたらいいねん

 

 

その考え方は30年以上たったいまでも変わらず、

おかげ僕は営業ストレスを感じなくなった