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営業物語 3 やらかした失敗

独立してから数年後、

当時、お世話になっていたIT会社の社長から頼まれて

SE達を雇うことになった。

 

彼らは某上場企業へ派遣予定のSE達なのだが、

大人の事情があって、どうしてもそのIT会社から

出せなくなったらしい。

 

だからと言って、個人的に依頼されたSE派遣の依頼、

そこそこのお立場の方からの頼み事を

「できなくなりました」と断るわけにもいかないらしい。

 

 

話は通しておくので

僕の会社でこの仕事を受けて、

転籍させるSE達を派遣してくれというのだ。

 

人件費が重圧になることを考え、かなり渋ったが

「利益は必ず出るから」と説得された。

確かに計算上は黙っていてもそこそこの金額が入る

 

それに何も営業しなくてもいい。話はついてる

相手は上場企業。直接取引ができるというおまけつき。

損得勘定が働いて引き受けることにした。

 

しかし派遣後、しばらくして

先方のビジネス上の諸問題から「プロジェクト内容変更」となり、

派遣を撤収せざるを得ない状況になってしまった。

要するに「売り上げ見込み」がばっさり消えてしまったのだ

 

この事例から僕は営業の教訓を得た

 

それは、商品・サービスの中身をきちんと確認しないで、

自信も責任も持てないのに

ただ、儲かるからという理由だけで

売ってはいけない

 

ということだ

 

 

サービスのリスクも見通せなかったし、

内容に自信が持てなかったので営業的に粘れなかったのもある。

そしてもう一つ、これは確証がないが・・・

 

歪な形のビジネスは

よほどの修正能力がない限り脆く崩れ去りやすい。

 

多分、死ぬ気でそのビジネスにかけていけば

何とかなったのだろうけど

企画の仕事もあったのでそこまでの労力を

僕はかけられなかったし、どう頑張ればよいのかも

その時はわかっていなかった。

 

一つの商品・サービスにどれだけ集中できるかも

営業にとってはとても重要なことだと思う